5月の水田

2000年5月27―28日に小田原にテニスに行ったときに、テニスコートの近くにあった田んぼのところで撮ったものです。右手奥の高くなったところは酒匂(さかわ)川の土手です。撮影地点の後ろには、「小田原アリーナ」(小田原市総合文化体育館)というすばらしい体育・文化施設が建っています。小田原在住の方のご協力で、このアリーナに付属しているテニスコートでテニスをすることができました。この田んぼは、周り(つまり「あぜ」、漢字では畦、または畔と書くそうです)がコンクリートで囲われており、田植機のための斜面までが付いているのには驚きました。このアリーナの建設の際に、周辺一帯も整備されたのかも知れません。小田原アリーナと土手の間には、下のような小川が流れていて、いろいろな花が咲いていました(植物の名前は全く苦手で何の花なのか分かりませんでした)。


テニスコートもすばらしいものでしたが、よく見ると、建設後3年も経っていないのに、手すりのコンクリートに多数のひびが入っているのが分かりました。写真1の手すりの手前側のへこみの部分に軒並みひびが入っていました。左から2番目のくぼみの部分を拡大したのが写真3ですが、このひびの部分から白い筋が地面まで続いていました。写真2は反対側の手すりをコート側から見たものですが、金属製の手すりの立ち上がり部分から規則的にこの白い筋が地面まで続いていることが分かります。この写真で左から2番目の筋の部分を拡大したのが写真4です。

写真1


写真2
写真3 写真4

どうもこれは、山陽新幹線などで話題になっているアルカリ骨材反応が起こっている証拠のようです(これについては問題40をご覧ださい)。アルカリ骨材反応はアルカリ分の多いセメントを使ったり、海砂を骨材として使うと起こる可能性が高まるそうです。この手すりは、山陽新幹線のトンネルのように、崩れると重大な事故につながるというわけではないのですが、それでも、建設後3年も経っていない時点でこういうことが起こるというのはひどい工事ですね。(2000年6月4日)

2000年9月24日追記:大手ゼネコンで設計を担当されている方に、このことをお聞きしてみました。その方のお話によれば、写真1、3 の小さな穴は「ピーコン」とか「セパ穴」と呼ばれているもので、コンクリートを固める際の型枠を固定するために必要となる出っ張りの跡のようです。白い線は、アルカリ骨材反応によるものではなく、「遊離石灰」ではないかとのお話でした。「遊離石灰」は、コンクリートに必要以上に加水したような場合によく起こる現象だそうです。素人判断で誤った情報をお伝えしたかもしれませんが、悪しからず。ただ、テニスをやっていた日曜日に、背広を着た人が10人以上この辺りを調べに来ていたことから、これがなんらかの問題となっていたのは確かのようでした。

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