イブリーの集合住宅

パリの都心(20区)の南東に隣接するイブリー・シュール・セーヌ市(Ivry-sur-Seine)の市役所の近くにある集合住宅です(地下鉄の駅は、Mairie d'Ivry)。2003年7月に見に行ったときに写したものです。

現代建築であると同時に、アルジェリアなどのアラブ的な雰囲気があるところが面白いと思いました。その後、La Nouvelle Critiqueというフランスの雑誌の1975年9月号に、この建物の記事("Renovation d'Ivry")が載っているのを、かみさんがたまたま見つけました。その雑誌から、室内の様子と間取りの部分をコピーさせていただきました。この雑誌によれば、この再開発計画はRenovation du Centre pour S.E.M.I. (S.E.M.I. が何を意味するのかはいろいろ調べたのですが分かりませんでした)と呼ばれ、広場などの公共スペースが、建物の外部だけでなく、内部にも設けられているそうです。設計は、Jean Renaudieだそうです。着工は1970年で、雑誌が出版された1975年時点で建物部分はほぼ完成していたようです。ただ、ほかの写真から、その時点では周辺の整備はまだ終わっていないようでした。

間取りの特徴は、三角形が基本になっていて、各戸にかなり広いバルコニーついていて、これが屋上庭園になっている点のようです。窓が広いため室内は大変明るいようです。ただ、ベッドの大きさなどから推定して、かなり狭いようです。30年近く前の建物であるのに、いまだに古さを感じさせないデザインだと思いました。こんな建物は日本にはあまりないような気がします。
(2004年3月8日)
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