夕方の散歩

春の野川公園」でご紹介した東京都調布市、小金井市、三鷹市の三市にまたがる「野川公園」の西の端には、JR武蔵境駅と府中市の是政駅を結ぶ西部多摩川線(旧是政線)という単線の電車が南北に走っています。この線路の西側には小金井市と府中市にまたがる「武蔵野公園」(約24万平方メートル)という別の大きな公園が広がっています。上の写真は2013年8月末に武蔵野公園の北西の端にある「野川第二調整池」で写したものです。普段は野原ですが大雨が降ったときには水をためて下流で水害が起こらないようにしているようです。左手に野川の堤防が見えます。

右手の木立は国分寺崖線の一部です。国分寺崖線は、古代多摩川の浸食によって武蔵野段丘とそれより一段低い立川段丘の間にできた崖で、西は立川市から東は世田谷区(ユーミンが住む世田谷区岡本の崖や、等々力(とどろき)渓谷もこの一部だそうです)まで約15km続いているそうです。地元では昔からこの崖のことを「はけ」と呼んでいたそうですが、崖の裾に沿って「はけの道」という散歩道が続いています。

上の写真で愛犬と一緒に散歩をされている方の真上の辺りが公園の北西の端で、そこから右手に50m位歩くと「はけの道」にぶつりかります。そこから左折して「はけの道」に沿って200m位西側に歩くと「はけの森美術館(中村健一記念美術館)」があり、美術館の背後の庭園も「美術の森」として公開されています。この森や「ハケの道」に沿ってさらに2km位先(西側)にある「貫井神社」は大岡昇平が「ボヴァリー夫人」を下敷きにして書いたらしい『武蔵野夫人』という小説の舞台となっているそうです(詳しくは、 「小説『武蔵野夫人』の舞台、はけの森と湧水を巡る秋の紅葉ウォーキング」( http://www.tachikawaonline.jp/walk/30koganei.htm) をご参照ください)。

上と下の写真はともにハケの道から「はけ」を写したものです。上の写真のようにほとんどが住宅地となっていますが、下の「ムジナ坂」のように昔の面影が残されている場所もあります。「ムジナ坂」は、柱状の標識(案内柱と呼ばれるようです)によれば、「昔坂の上の農民が下の畑に通った・・細い道」で「暗くなると化かされるといって、怖がられ遠回りをした」そうです。ムジナはアナグマの異称で、タヌキを指すこともあるそうです。

はけの麓には所々にわき水があります。「春の野川公園」でご紹介した自然観察園の湿原もわき水がたまったものでした。ところが2009年に訪問したときに水がたまっていた場所のかなりの部分が2013年には干上がっていました。前回カワセミを写したかがみ池も干上がっていました。宅地開発などの影響があるのかもしれません。

その代わり今回は、ハグロトンボというトンボを撮影することができました。

下の写真は自然観察園の前を流れる野川ですが、夏休みで親子連れがたくさん遊んでいました。写真右手の子どもが集まっている場所にはわき水があり手前に流れていました。川の近くのわき水はまだ干上がっていないようです。

(2015年2月8日)

「風景写真アルバム」に戻る 最初のページに戻る