和田堀給水所の屋上

東京都の世田谷区、渋谷区、目黒区の家庭などに直接配水するだけでなく、千代田区、港区、品川区、大田区に水を送る中継基地にもなっている和田堀給水所が建設から80年以上たち、老朽化が進み、耐震性も十分でないため、建て替えられることになりました。解体が始まる前の2013年10月5日に見学会が開かれたため訪問できましたので、そのときに写した写真をご紹介します。上の写真は二つある貯水池のうちの一つで1934年に完成した、「1号配水池」の屋上で写したものです。中央の塔は排気口だそうです。1号配水池は高さ11メートル、直径約80メートルと巨大です。

上の写真は1号配水池を南側から見たものですが、非常にユニークで巨大な建物だと思いました。日本建築家協会・関東甲信越支部は「和田堀給水所1号.2号配水池と付属施設群の文化的価値保存等に関する要望書」を2012年12月3日に東京都、同水道局に、また12月14日には、世田谷区長、同教育委員会に提出して重要な近代化遺産として保存活用を求めたそうです。周辺住民の中にも、ユニークな形が特徴的な1号給水池の保存を求める声が上がっているそうです。

上の写真は1924年と1号配水池よりも10年先に完成した2号配水池です。1号配水池では水の圧力はコンクリートの壁で支えていますが、こちらの2号配水池では堤防のような盛り土で支えています。また、上から見ると、2号配水池はほぼ正方形となっています。

これは1号配水池の屋上から2号配水池の屋上を見たものですが、同じ高さで見晴らしがいいため広さが実感できました。

1、2号貯水池は世田谷区、渋谷区、目黒区に直接配水するための施設ですが、上の写真の小さな建物の中には、千代田区、港区、品川区、大田区に送る水を制御するためのバルブが入っているそうです。貯水池との規模の違いが印象的でした(2015年2月8日)。

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