世界最大の公共住宅団地

正面の高層住宅はシンガポールのチャイナタウンの南側にあるピナクル@ダクストン(Pinnacle@Duxton、@はat/アットと発音するようです)です。lonely planetという旅行案内書によれば、これは世界最大の公共住宅団地(complex)だそうです。50階建ての7つのビルから構成されていて、26階と50階部分がスカイブリッジでつながっています。ピナクルは高い峰という意味で、ダクストンはこの地域の名称で、シンガポールで最初に公共住宅団地ができた場所だそうです。50階のスカイブリッジは有料(5シンガポールドル、現在の約82円というレートで換算すると410円)で開放されています。料金は必ず、地下鉄・バスのプリペイド・カードであるイージー・リンク・カード(EZ-Link カード)で支払うことになっています。上の写真の右端のG棟の1階のCantonment Roadというバス停に面したビューティーサロン脇の通路を入った突き当たりにある守衛室の前に入場券自販機があります。自販機横にもある7-11でもこのカードは買えるようです。

総戸数は1,848戸で、約7,000人が居住しているそうです。

これは50階のスカイブリッジから見たチャイナタウンです。テラスハウス風の家が連なっていますが、左側中央の黒っぽく見える建物は、ブッダの歯が安置されている「新加坡佛牙龍華院」(Buddha Tooth Relic Temple and Museum)という2007年に建てられた新しい寺院です。

建物は巨大ですが、壁面が階ごとに区切られていないだけでなく、ランダムにできているように見えるため、あまり威圧感を感じませんでした。外壁がランダムなのは、入居者が外壁部分について、バルコニーや、窓、プラターボックスなどと非常に多くの選択肢から選択できるようになっていたためのようです。

一番海寄りの建物からの眺めですが、シンガポール南岸の海岸線のかなりの部分がコンテナ埠頭となっているようです。埠頭にコンテナー用のガントリークレーンが並んでいるのが分かりますが、その手前の赤茶けた部分はコンテナーが置かれている部分(コンテナー・ヤード)です。シンガポールの年間コンテナ取り扱い個数は3,090万TEU(2016年速報値、TEUは長さが約6mの20フィート・コンテナ換算という意味で、一般的な長さが約12メートルの40フィート・コンテナは1個2TEUとなります。ちなみに、TEUはtwenty-foot equivalent unitの略ですが、twenty feet のfeetがなぜtwenty-footと単数形になるかと言えば、2語以上の結合が名詞を修飾する際に、修飾語をハイフンでつなぐ場合には、最後の名詞が単数形になるためのようです。例えばseven days/seven-day tourとかfive years/five-year courseとなるようです)と上海港の3,713万TEUに次いで世界第2位で、日本国内では最大の東京港の473万TEUの6.5倍でした。また、正面の島はおそらくリゾート地となっているセントーサ島だと思います。

チャイナタウンの北側(クロス・ストリートとサウスブリッジ・ロードの交差点)からチャイナタウン方向を見ると正面にこの団地が見えます。ここからの距離が900m程度であることからその巨大さが分かります。

シンガポールは「団地国家」と呼ばれることもあるそうです。実際、人口540万人の85%が住宅団地に居住していますが80%は住宅開発局(HDB、Housing & Development Board)が建設した高層住宅に住んでいるそうです。ピナクル@ダクストンもHDBが売り出した住宅でした。シンガポールの持ち家率は1959年には1%だったそうですが、1997年現在では94%が持ち家に居住しているそうです。住宅政策が皆無に近い日本では、庶民が高い家賃に苦しんでいるのとは大違いですね(2018年4月29日)。

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