問題29 (健康)の答え・・・b. 鼻の軟骨と骨の継ぎ目に凹凸があるかどうか、 c. 鼻の頭の形が単純過ぎるかどうか、d. 鼻の穴が細長過ぎるかどうかが正解です。

マイケル・ジャクソンの顔が、ジャクソン・ファイブの一員だった時とはまったく別人のようになり、しかも、見るたびにますます人間離れしてきたり、芸能人が「充電」などと称して、しばらく見かけなくなったあとに、再登場してみると、違う顔になっていることがよくあるなど、芸能人が整形手術をしても誰も驚かなくなってきたようです。最近では、一般の人でも、整形手術に対する抵抗感はあまりなくなってきたようです。

一般の人が見逃している重要なポイントは、整形手術をしたことが、見ただけでかなりの確度で分かるという点です。『鼻、鼻を理解し 鼻を治すために』(東京慈恵会医科大学名誉教授、高橋良著、金原出版)によると「鼻整形をやるその術者によってでき上がった形が大体一致している・・・でき上がった形をみればどの術者がやったか大体わかるとまでいわれるほどである」そうです。手術をした医師が誰かまで、見ただけで分かるほどですから、手術をしたかどうかは、すぐに分かるとみられます。ただ、整形をした鼻かどうかを見分ける方法について書いた本は見たことがありませんので、この本に書いてあることと、これまでの私の経験から、見分け方をご紹介します。

b. 鼻の軟骨と骨の継ぎ目に凹凸あるかどうか

人間の鼻の、目に近い上の方の3分の1ほどの部分は、頭蓋骨が中にありますが、下の3分2ほどの部分は、(鼻中隔という)軟骨によって支えられています。骨の部分と軟骨の境目の部分がどこなのかは、その上と下で傾斜角が違っていたり、凹凸があったりするため、通常見ただけで分かります。もしあなたが整形手術を受けていない方でしたら、鏡を見てください。斜め前からこの部分を見ると、上下部分に傾斜角の差がない場合でも、この部分が微妙に膨らんでいるのが分かるはずです。ところが、整形手術を受けた鼻の場合には、「鼻筋を通す」ために、この部分の凹凸を取ってしまうようです。従って、この部分が円柱や台形柱を半分に切ったような、直線的な形をしている場合には、整形手術を受けた鼻と考えてほぼ間違いないと思います。

この部分に膨らみができるのは、骨の部分の成長が成人に達するに伴って止まるのに対して、(鼻中隔)軟骨の部分はわずかとはいえ、50―60歳頃まで成長を続けることが原因になっているようです。成長した軟骨が骨を圧迫するだけでなく、軟骨が骨に変化(化骨機転)することもあって膨れているようです。

c. 鼻の頭の形が単純過ぎるかどうか

一見単純な形をしている鼻の頭の構造は非常に複雑で、その中の軟骨は下の図のような形をしています。このような複雑な軟骨を整形手術で作り出すのは難しいためなのか、整形手術をした鼻の場合、鼻の頭の形が単純化されて、球状や角張った形になるようです。また、あまり細かい「細工」はできないため、鼻の頭の部分が大きくなる傾向が強いように思われます。

鼻の頭の軟骨の形(『鼻』50ページ)



d. 鼻の穴が細長すぎるかどうか

日本では、鼻の整形手術の大半は鼻を高くすることを目的としているようです。軟骨を高くすると、鼻の穴が引き伸ばされて細くなることが多いようです。日本人の場合、鼻の穴が、目立って細長い場合には、整形手術をした結果である場合であるとみられます。

この三つ以外にも、顔全体のバランスが崩れるという点も挙げることができますが、この辺は感覚の問題なので、はっきりと説明できません。

この基準から判断すると、若い女優や女性歌手の半分以上は整形顔ではないかと思います。NHKでも、女性アナウンサーでこの基準にあてはまる人がいますし、朝の連続ドラマの主人公も、放送中の人を含めて何人かは整形顔ではないかと思います。

知人の女性が、「整形して人生変わるんだったら、してもいいんじゃない」と言っていましたが、そう考えられている方に一言申し上げたいと思います。

第一に、整形美人だと分かったら、いくら美しくても、にせものとみられるということです。そこまでして、美人になりたいというのは、性格的に問題があるとか、容貌以外に売るものがないと見られかねません。

第二に、手術をしても、人工的な処置であるため、しばらくすると、形が崩れてくるようです。そこで、また手術を受けることになるのですが、何度もやっているうちに、元の自分の顔の面影がなくなり、「これぞ整形」という顔になってしまうということです。お金が続くうちは、まだなんとか面目は保たれるのですが、手術費用に事欠くことになると悲惨です。たまに、電車などで整形手術を続けることができなくなって、顔の形が崩れたとみられる中年の女性を見かけるのですが、このような女性は人生の楽しい部分を若いうちに使い果たしてしまったとしか言いようがありません。

最後に、整形医が患者をどう見ているかという話を、『鼻』(110ページ)から紹介します。「アメリカの女優の写真を持ってきてこのような鼻にというものもあって、腹の中では大笑いだが、適当にあしらってその欲求が不自然なことを説いてきかせる。なかなか思いとどまらないのも少なくない。鼻以外がノッペラボーなのに鼻だけ高くしてどうするのだということが素直に解らないのだから困る」(99年1月15日)。

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