インクが見えなくなるまで確実に書ける極細ボールペン

ボールペンを使っていて一番腹が立つのが、インクが残っているのに書けなくなることがよくあることです。ところが、わたしが10年ほど前から愛用している、パイロットの「ハイテックC(HI-TEC-C)」は確実にインクが見えなくなるまで書けるようです。あまりにも確実に最後まで使えるため、2-3年前から使い終わったペンを保存しておくことにしました。下の写真で放射状に並んでいる21本は、集め始めてから使い終わったもののうち、1本を除いたすべてです。右側に写っている現役のハイテックCと比較していただくと、使い終わった方では、インクが空になっていることが分かると思います。

インクが残っていないことをもっとはっきりと示すために、一部を拡大しました。ほぼ完全に使い切っていることが分かると思います。

ただ、去年インクが見えるのに書けなくなったものが1本ありました。そこで、先日、その製品をパイロットのお客様相談室にお送りして書けなくなった原因を調べていただくことにしました。「いつも最後まで書けるので感心していますが、書けなくなったものがありましたので、原因を調べていただけませんでしょうか」というコメントを付けて、製品をお送りしました。

お送りしてから、2週間ほどで、下にコピーしたお返事をいただくことができました。このお返事で、書けなくなったのは落下などによって、ペン先が引っ込んでしまったためであるということが分かりました。つまり、こちらの不注意で書けなくなったようです。そのため、ハイテックCは、正常な使い方をすれば、確実にインクが見えなくなるまで使えるようです。

さらに、同じ製品の新品1本と、「こすると消える」という新製品の「フリクション」を1本、さらにこちらがお送りしたときの郵送料に相当する120円分の郵便切手が同封されていました。ボールペン1本に、これほどの対応をしていただけるとは予想外でした。94年の発売以来、2億本も売れたらしいこの製品に対するパイロットの自信を感じることができました。

どんな細い行間にも書き込める

ハイテックCを愛用するようになったのは、確か「世界最細」と宣伝されていたため、0.3mmのものを試してみたところ、どんな細い行間にも文字を書き込むことができるため、英単語の意味を文中に書き込んだり、文章の校正のときなどに非常に便利だと思ったからです。0.25mmのものも出ていますが、文字が細すぎる感じがするのと、非常に軽いタッチで書かなければならないため、0.3mmのものが一番使い勝手がいい気がします。

外国からのお客さんなんかに、これが「世界最細のボールペンで、日本の戦後最大の技術革新です」などと(やや大げさすぎますが)言ってプレゼントすると、結構喜ばれました。

ただ、ペン先が非常に細くて精密な作りになっているため、(1)固いところに落として、ペン先に衝撃が加わるようなことがないように注意する、(2)軽いタッチで、できるだけペンを垂直にして(できれば、水平面に対して70度以上の角度を保って)書くようにする、(3)表面がでこぼこな紙、コートしてある紙、修正液が塗布してある紙などは、ペン先の目詰まりの原因になるため避ける、(4)複写筆記も、筆圧が高くなり、目詰まりの原因になるため避ける、(5)水性インキ(ゲルインキ)を使っていることから、使わないときは、乾燥防止のため、キャップはしっかり閉めておくなどの注意が必要なようです。

数々の制限がありますが、細さと最後まで使えることのメリットの方が大きいと考えて、わたしはこのボールペンを愛用しています(2008年3月9日)。

お断り:わたしは「ハイテックC」のメーカーである、パイロットコーポレーションからは、文中で言及した同封品以外の報酬は一切受け取っておりませんし、これからも受け取りません。


(株)パイロットコーポレーション、お客様相談室からいただいた調査結果


・最初のページに戻る