グリーンピースの原発の専門家も東日本大震災規模の地震に耐えうる原発を設計・建設するのは不可能とみている

環境保護(グリーン)と平和(ピース)を願う全世界で280万人の市民に支えられ、40カ国以上で活動していて、国連から「総合協議資格」を与えられている数少ないNGOの一つであるグリーンピースの活動船、「虹の戦士号III世」(Rainbow Warrior III)が福島第一原発事故発生から5年後の環境汚染の状況を調査する目的で2016年2-3月に日本を訪れました。

3月19日に横浜港に停泊中の同船の船内ツアーと船内で行われたトークセッションに参加してきました。最新鋭の帆船でマストの高さは55mと世界一だそうです(下の写真をご参照ください)。トークセッションの際に、調査のリーダーで、過去30年間世界の原発の状況を調査してきたショーン・バーニーさん(下の写真の方)に、このホームページでご紹介した「東日本大震災の揺れは(4Gと)原発炉心の設計強度(0.45G)の10倍に近く、同程度の揺れに耐え得る原発を作るのは不可能と専門家はみている」ことについて、どうお考えですかとお聞きしたところ、"I agree."(「同意します」)とおっしゃっていました。

ショーンさんはさらにつぎのように指摘されました。

『日本政府はメルトダウンの原因は、津波による電源喪失によって炉心を冷却できなくなったことであるとしていますが、複数の科学者がメルトダウンを起こした3基の原発のうち、少なくとも1基については地震の揺れによってメルトダウンが引き起こされた可能性が強いと指摘しています。グリーンピースも2011年5月にこの趣旨の最初のレポートを発表しました。国会事故調査委員会でも2012年と2013年に同様な指摘がなされました。地震によってメルトダウンが起こったことは現時点でははっきりと証明されたわけではありませんが、もし証明されれば、日本だけでなく、地震が発生する可能性のある世界中の国の原発にとって非常に大きな問題になると思います。そのため独立した科学者、市民団体は原発がメルトダウンするに至った原因を追及し続けることが非常に重要だと思います』

原発依存型の電力会社から、自然エネルギー志向型の電力会社に乗り換える

2016年4月1日から一般消費者も電力会社を選択できるようになりました。グリーンピースでは、原発に反対するために、脱原発、自然エネルギー100%を目指している電力会社に乗り換えるように勧めています。

[写真の説明]船内でのトークセッションで今回の調査について説明されているショーン・バーニーさん。

マストの高さが55mもあるため、みなとみらい地区からも先端が見えました。

マストに登るためには下の写真でマストの横に写っているかごのようなエレベーターを利用するそうです。

二等航海士のアニーさんが船内を案内してくださいました。建造は2011年で、ブリッジ(船橋)内の装置は帆船とは思えない最新鋭のものでした。

船首には木製のイルカのマスコットが据え付けられてていました。この中にはタイムカプセルが入っているそうです。

上の写真の左側の部分が、帆を張ったり巻き込んだりするための油圧装置だそうです。
その部分を前から見ると下のようになります。

救命ボートの向こうにみなとみらい地区が見えます。

環境NGOだけあって、ゴミ箱は、プラスチック、紙、ガラスなどに分別するようになっていました。

湿地帯での調査などにも対応できるジェットボート(スクリューがなく、水を噴射して前進する)も搭載されていました。

(2016年4月2日)


クイズひまつぶし 問題集 分野別問題一覧 付録 風景写真アルバム

近気付いたこと
お勧めホームページへのリンク シャンソンとフランス語のお楽しみ 最近の更新記録