ビール瓶のアーカイブ

2004年6月に初めてアイルランドの首都ダブリンを訪問して、ご多分に漏れず、ギネスビールを堪能してきました。日本で飲むギネス・ビールと比べると、パブでの値段が3分の1位で、ビールの味も全く別物のような気がしました。日本で飲むと、けっこう濃いビールという感じがします。ところが、気候の影響もあるかも知れませんが、現地で飲むとさっぱりとした味で、何杯でもいけそうな気がしました〔といっても、私は酒に強い方ではないため、『ユリシーズ』(詳しくは、「ジャック・ブレルについてのトークショーが開催されました」をご参照ください)に出てきたパブ巡りのときに、1日3杯飲んだのが最高記録でした〕。

そのせいもあって、観光地になっている「ギネス・ストアハウス」(ギネス資料館という感じ)にも行ってきました。13.5ユーロ(135円で換算すると1,822円)の入場料には、1パイント(0.568リットル)のギネス試飲料も含まれています。ギネス・ストアハウスは、26ヘクタールもある工場の一角にあり、上の写真は、1759年の創業以来のビール瓶のアーカイブ(古文書館)を写したものです。単なるビール瓶ですが、赤、青、黄、緑など、様々な色の瓶がバックライトから浮かび上がると、一種のガラス工芸のような美しさでした。

見学者は1階から順番に上っていき、最後に7階の展望フロアで、ギネスを楽しむことができます。下の写真は、展望ビアホールから市の中心街を見たところです。手前に見える建物は、工場の倉庫やサイロです。窓ガラスには、セント・スティーブンズ・グリーンという公園の方向であることを示す書き込みと、その下に、ジェームス・ジョイスの代表作の一つである、『若き日の芸術家の肖像』からの、この公園に関係する部分が引用されていました。

下の写真は、上の写真の左側に写っている市の中心部を望遠レンズで撮影したものです。中央の島のように見えるところが『ユリシーズ』にも出てくる、ホース岬です。市内に高層ビルが一つもないのが驚きでした。高層ビルがない都市は、町全体が落ち着いた雰囲気になると思いました。ただ、右手の海岸寄りを見ると分かりますが、町中で建設工事をしている感じでした。中央の教会は、Church of SS Augustine and John という地域の教会のようです。


ギネス・ストアハウスの周りには、集合住宅が多く、そのうちの一つが下の写真です。

(2004年10月10日)

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