夕方の釧路湿原・細岡展望台

日本国内最大の湿原(東西最大幅25km、南北36km、面積220km2)で、1980年にラムサール条約日本国内登録湿地第1号となったあと、7年後の1987年に国立公園にも指定された釧路湿原を一望にできる細岡展望台を2011年10月初めに訪問したときに写した写真です。 細岡展望台は湿原の東側にあり, 左右250度くらいに広がる湿原のパノラマを楽しむことができました。当日は湿原の西側にある、釧路市湿原展望台も訪問しましたが、こちらはトーチカのような建物はりっぱでしたが、肝心の湿原までの距離がありすぎるため、「湿原展望台」という名前に違和感を感じました。この写真の右側に写っている女性のグループは、北海道開発局による湿原についてのアンケート調査の担当者と質問されている観光客の方々です。女性グループの右側に白く見える部分が釧路川です。この辺りを望遠レンズで写すと下のようになります。釧路川は下の写真の右端中央辺りからS字型に流れて右下の部分から左側に蛇行しています。右下の辺りに、木の陰になって見えませんがカヌーイストのための細岡カヌーポートがあります。

下の写真は上流から下ってきたカヌーが細岡カヌーポートに着くところを写したものです。

細岡カヌーポートで、川下りをされた方のお話などをお聞きしているうちに、わたしとかみさんも、この機会にぜひカヌー下りに挑戦したくなりました。そこで釧路にお住まいの友人である樋田さんにお聞きしたところ、お知り合いの「カヌーショップヒライワにかけあってくださり、このお店が主催するカヌー下りに、翌日参加させていただくことができました。費用は1人8,000円とかなりの出費でしたが、すばらしい体験となりました。日経新聞(2012年8月1日付)の「眠れる水のオアシス巡る」という記事によれば、釧路川にはダムが一切なく、全国からカヌーの愛好者が訪れるそうです。

下の写真はスタート地点の塘路湖(とうろこ)で、スタッフの方がカヌー下りの注意事項を説明してくださっているところです。カヌーの片側に体重をかけないこと、急に動かないこと、岸近くで木がせり出している場所があっても、木にはつかまらないことなどの注意を受けました。当日は3グループ3隻のカヌーが出て、各カヌーには平岩さんかスタッフの方が乗って案内してくださいましたが、塘路湖から細岡カヌーポートまで約10kmを約2時間で下ることができました。その間に、両岸にはほとんど家はなく、大自然に囲まれているという感じで、オジロワシが木に止まっているところを見ることができました。また、流れが比較的ゆるやかで、平岩さんのリードのおかげかもしれませんが、危険を感じることは全くありませんでしたので、どなたでもカヌー下りを楽しめそうです。ちなみに、オーナーの平岩さんは、下の写真の右から2人目の方です。参加していたのは、われわれ夫婦と、千葉県ご出身ですが現在は転勤で札幌にお住まいのご夫婦(中央に写っています)、東京在住の母上と2人のお嬢さんの3人グループで、お嬢さんのうち1人の方が網走にある東京農大生産学部で学ばれている間に親子で北海道旅行をされているとのことでした(集合ぎりぎりに到着されたため写真には写っていません)。また、救命胴衣を着用し、転覆した場合に備えて、カメラなどの濡れると困るものを入れておく防水の袋も貸してくださいましたので、安心でした。

カヌーの上で平岩さんからお聞きしたお話で印象に残っているのは、釧路川は、昔はぽんぽん船で航行できる位の水深があり、上流の硫黄山から硫黄を搬出するために使われていたものの、周辺の農地化のために、土が流れ込んで水深が従来の約半分の2~3mくらいになってしまって、貨物船は航行できなくなったということでした。また、昔は船しか運搬手段がなかったものの、道路が開通して車でも運べるようになったことも貨物船が航行しなくなった理由だそうです。

下の写真は丹頂鶴が自然に近い環境の中で飼われているのを見ることができる釧路市丹頂自然公園に飼われていた丹頂鶴の親子です。親鳥は飛べないため、かなり大きな柵から出られないようです。下の写真では、左の2羽が親鳥で、右の羽が茶色い鳥が幼鳥です。

訪問しているときにちょっとした事件が起きました。幼鳥が短距離なら飛べるようになったため、柵から外に出てしまいました。

柵から20mほどのところで様子をうかがう幼鳥です。

それでも寂しくなったためか、親鳥のいる柵の方に歩いて行きました。

その後、幼鳥は再度柵を跳び越えて、柵の中に戻りました。

一安心でしたが、幼鳥は下の写真のように柵の中で親鳥から、「やんちゃはいけませんよ」とおしかりを受け(ているように見え)ました。

釧路市は全体として活力に乏しいという印象を受けましたが、幣前橋(ぬさまえばし、原田康子の小説『挽歌(ばんか)』の舞台になったそうです)は彫刻が飾られていて大変立派でした。橋のたもとにある「フィッシャーマンズワーフ」は釧路市最大の観光施設のようですが、「フィッシャーマンズワーフ」の前にテントが張られて営業されている「岸壁ろばた」は大変な賑わいでした。

(2012年12月12日)

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