アルテピアッツァの夏

北海道・美唄市のご出身で、日本だけでなくイタリアでも活躍されている彫刻家の安田侃(かん)氏の作品を展示した「アルテピアッツァ美唄」という野外彫刻公園を2011年8月に訪問したときに写した写真です(リンクしたサイトには、この公園の季節の移り変わりが分かるすばらしい写真が多数載っています)。アルテはイタリア語でアート、ピアッツアは広場という意味のようです。オープンした1992年には展示点数はわずか5点でしたが、現在(2012年7月時点)では40点の作品が展示されていて、見応えがあります。上の写真の彫刻は「真無」と呼ばれているそうです。上の写真のように、芝生を自由に横切れるのも気持ちがいいものでした。また、屋外の彫刻美術館として有名な「箱根彫刻の森美術館」と比較すると、こちらは展示されている点数は少ないですが、周りの自然と彫刻との調和という点では、こちらの方が上のような気がしました。

上の写真の左側の作品が「他人」、右側が「妙夢」です。

上の写真でベンチの左側に小さく見える白い彫刻は「天モク」です。

上の写真で画面中央右寄りの彫刻が「天モク」、奥の四角いのが「天聖」です。

美唄はかつては炭鉱の町で、三井鉱山(現三井コークス)、三菱鉱業(現三菱マテリアルズ)などの炭鉱がありましたが、1973年に最後の炭鉱が閉山になったそうです。下は「アルテピアッツァ美唄」から道道135号沿いに4kmほど山に入ったところにある「炭鉱メモリアル森林公園」です。三菱美唄炭鉱の施設の一部が保存展示されており、下の写真の二つの塔は竪坑(たてこう)と呼ばれる坑道の出入口で、高さはともに20m、地中の深さは170mだそうです。手前の塔は「上風坑」で、坑内からの排気、人員の出入り、資材の搬入に用いられ、奥側の「下風坑」は、入気(空気を送り込むこと)と原炭の搬出に使われたそうです。また、右手の建物は、電力を分配していた「開閉所」(高圧電流を流したり切ったりするスイッチのことを「開閉器」というため)と呼ばれていたそうです。

下の写真は、原炭を貯蔵する「原炭ポケット」という施設で、最大で1,300トンが収納可能だったそうです。

下の写真は立て看板の写真のコピーですが、中央やや右寄り奥の赤い屋根の建物が原炭ポケットで、中央左寄りに「上風坑」が白く見え、さらにその左側に「下風坑」が黒く写っています。

こんな山の中に、かつてはこんな巨大な施設があり、しかもそのほとんどが現在では跡形もないというのは驚きでした。本題とは関係ありませんが、これら施設を訪問したあと、美唄市内の「ピパの湯」で温泉につかってから帰りましたが、施設の立派さと露天風呂からのすばらしい眺めが印象的でした。お勧めです(2012年12月12日)。

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