日本の競馬発祥の地

横浜市の山手の南側に位置する「根岸森林公園」は面積が18万平方メートルというかなり大きな公園です。この地に日本で最初の競馬場である「根岸競馬場(後に横浜競馬場と改称されました)」が1866年12月に完成し、1867年1月11日に日本で最初の洋式競馬が行われたそうです。上の写真は関東大震災後の1930年にJ.H.モーガンの設計で再建された競馬場の観客席(「旧一等場見所」)を2014年7月に裏側から写したものです。太平洋戦争中に競馬の開催は中止され、競馬場は閉鎖されましたが、戦後は米軍に接収され、一時は米軍専用のゴルフ場となっていました。下の写真の広大な「芝生広場」はその名残だそうですが、芝生広場を囲むように歩道が整備されていて、散歩やジョギングをしている人がたくさんいました。また、公園の周りのかなりの部分が引き続き米軍の施設となっていて、広い庭付きの大きな米軍住宅が散在している隣に庭がほとんどない「現地人」の住宅が密集している光景は、現在の日米関係を如実に物語っている感じがしました。

森林公園から根岸駅方面に下りて行く坂道に入ってすぐ左手にある「ドルフィン」(下の写真)というレストランは荒井由実の「海を見ていた午後」に登場します。「あなたを思い出す この店にくるたびくるたび/坂を上がって きょうもひとり来てしまった/山手のドルフィンは静かなレストラン/晴れた午後には 遠く三浦岬も見える//ソーダ水の中を貨物船がとおる・・・・窓にほほをよせて カモメを追いかける/そんなあなたが 今も見える テーブルごしに//紙ナプキンには インクがにじむから/忘れないでって やっと書いた遠いあの日」。 

ただ、レストランからの景色は歌とは違って高速道路の向こうに工場の煙突が並ぶかなり殺風景なものでした。

(2015年2月8日)

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