アスリート像に囲まれたテニスコート

毎年5月に開催されるテニスのイタリアン・オープン(INTERNAZIONALI BNL D'ITALIA)の会場は、1935年以来、ローマ市内北西部にあり、1960年のローマ・オリンピックのメイン会場となったフォロ・イタリコ(フォロは広場、イタリコは「古代イタリアの」という意味)となっています。フォロ・イタリコはサッカー競技場、テニス競技場、陸上競技場、水泳競技場などから構成されていますが、元々は1944年に予定されていたローマ・オリンピックの会場としてムッソリーニ・ファシスト政権が国威発揚を意識して建設したものでした。しかし、第2次世界大戦の勃発のためにこの大会は中止されました。フォロ・イタリコのテニス競技場の最大の特徴は、3番目に収容人数の大きなピエトラジェリ・コート(上と下の写真、全仏男子シングルスで1959年と1960年の2回優勝したイタリアのテニス・プレイヤー、ニコラ・ピエトランジェリ〔Nicola Pietrangeli〕の功績をたたえて命名されました、Campo Pietrangeli)の周りを18体のアスリートの彫刻(台座を含めた高さは6m位とかなりの大きさです)が取り囲んでいる点です。テニスコートにまで彫刻を並べるというのはいかにもイタリアらしい感じがします。上の写真は2019年5月13日に観戦した2019年大会初日の女子シングルス1回戦の様子で、左側かポロナ・ヘルツォグ(Polona Hercog、スロベニア、女子シングルスWTAランキングの自己最高は35位)、右側がマディソン・キーズ(Madison Keys、米国、自己最高は7位)でこの試合は6-4、7-6のストレートでキーズが勝ちました。残念ながら、キーズもその後2回戦で敗れてしまいました。

ピエトラジェリ・コートは周りの通路よりも低い位置にあり、通路からは観客席は見えてもコートは見えません。正面の建物は、隣接するセンターコート(Campo Centrale)です。

上の写真はロブを打たれたキーズが下がりながらオーバーヘッドで返球するところです。サーブやスマッシュのように左手をしっかり差し上げているのは、アマチュアも見習うべき点だと思いました。

上の写真はセンターコートで、こちらは2010年に完成した真新しいスタジアムで、私が座っていたかなり上の方の席からも試合がよく見えましたが、通路の転落防止のためのガラス製の転落防止柵の上端が選手と重なって、写真を撮るのには不向きな席でした(プレー中の選手の写真に白い線が入っているのはそのためです)。

上はセレナ・ウイリアムズとレベッカ・ペテルソン(Rebecca Peterson、スウェーデン、自己最高は43位)の試合で、こちらもセレナ・ウイリアムズのストレート勝ちでした。セレナの試合を直接見るのは2回目で、1回目は2004年のウィンブルドンでした(そのときの写真は「アイルランドの禁煙事情と当日券でセンターコートに入れた話」に載せてあります。)

上はアレックス・デミノー(ALEX DE MINAUR、オーストラリア、シングルス自己最高ATPランキングは23位)で、特徴的なバックハンド・ストロークを打ったところです。相手は地元イタリアのマルコ・チェッキナート(Marco Cecchinato, 自己最高は17位)でしたが、この試合はチェッキナートが4-6、6-4、6-1で逆転勝利したため、観客は大喜びでした。残念ながら、チェッキナートも2回戦でコールシュライバーに敗れてしまいました。

勝者のチェッキナートがレンズの前のアクリル坂にサインするところです。この角度から写すことはあまりないと思ったので載せました。

若手のホープの一人であるデミノーのサインをもらおうと集まってきた子ども達(や大人)(2021年2月28日)。

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