問題21 (英語)の答え・・・c. Dutchが正解です。つまり、@ in Dutch (嫌われて、面目を失って、困って)、A do the Dutch(自殺する)、B Dutch defense(オランダ流防戦、つまり退却、降伏)、C double Dutch(ちんぷんかんぷん)ということになります。
英語の言い回しでDutch(オランダ人)がつくと、どうしてこうもひどい意味になるのかはあきれるほどです。なぜ、オランダ人が抗議しないのか不思議です。どんなものがあるか英和辞典(研究社、リーダース+プラス)で調べてみました。
まず最悪のからいくと Dutch wife |
ダッチワイフ(男性の自慰のための模造女性器を備えた等身大の人形) |
さらにDutch husband もあります |
ダッチハズバンド(張形付きの実物大男性人形) |
Dutch widowといえば | オランダの未亡人という本来の意味のほかに、娼婦という意味もあるそうです |
in Dutchには | 問題に取り上げた意味のほかに、「結婚前に妊娠して」という意味もあります |
酒からみでは Dutch courageは |
(酔った勢いによる) から元気 |
同じくDutch bargainといえば | 一杯やりながら結ぶ売買契約 |
金銭面の細かさでは go Dutchは |
割り勘にするという意味ですが、私が記憶していた同じ意味の、Dutch accountという熟語は辞典には載っていませんでした |
このバリエーションとしてはDutch treatがあります |
treat だけだとごちそうするという意味になりますが、Dutch treatとなると、費用はいったん代表者がまとめて支払って、いかにもごちそうしたという雰囲気を出して、その人があとになって参加者から徴収する場合をいうようです。同様に、Dutch supperというと、割り勘の夕食ということになります。 |
欧州で最も美しい声で鳴く鳥のnightingaleにDutchがついた、Dutch nightingaleは | オランダウグイスという日本語訳があって、これはかえるのことだそうです |
1985年8月12日の日航ジャンボ機事故のときによく知られるようになった、Dutch roll は | 飛行機が機首を左右に振る運動と、機体が左右に傾く運動が同時に発生して、短い周期でくりかえされること: 機尾の蛇行運動がオランダ人が尻を振り振りスケートをする様子に似ているところから。なぜ、スケーターがオランダ人なのかといえば、オランダはスケートが盛んだからではないでしょうか。冬になると、例の運河が凍り、そこらじゅうでスケートができるようになるそうです。 |
最後に、double Dutch | これは、中学生向けの英和辞典にものっている基本熟語で、ちんぷんかんぷんという意味です。It is double Dutch to me.私にはちんぷんかんぷんだ、などと使うそうです。オランダ語はもとはドイツ語の一方言で、音がきたないと感じる人が多いようです。 |
イギリス人のオランダ人嫌いの根はかなり深いようです。イギリスとオランダは、17世紀には、同じ海洋国家(というよりも実態は海賊国家に近かったようです)同志でなにかと衝突して3回も戦争をしました。その後の産業革命で両国の差は決定的になりましたが、いまだに、その恨みが残っているのかもしれません。
さらに、オランダ人は「けち」で「すけべ」と思われているようです。オランダ人がけちかどうかはよく分かりません。何万円もするルイ・ヴィトンのバッグを普通の女性が平気で買う日本人に比べれば、ほとんどの欧州人はけちということになるかも知れません。
オランダ人だけでなく、フランス人もイギリス人にすけべと見られているようです。French
Kissといえば、deep kissを意味したり、French diseaseといえば梅毒を意味するなど、なるほどと思わせる面があります。これに対して、上の表に示したような、イギリス人のオランダ人のすけべさに対する見方は、ダッチワイフに代表されるように、フランス人の場合とは違ってなにか動物的、機械的すけべという感じがします。アムステルダムの有名な「飾り窓の女」には行ったことがありませんが、女性を展示するという発想が18世紀的な感じがします。やはりオランダ人(男性)の性に対する考え方は、さばけているというのか、単なる生理現象の処理に近い考えを持っているような気がします(オランダ人男性の方、すみません)。
日本人の私も、実はオランダ人は全体としてどうも好きになれません(もちろんいい人もいましたが)。私は数年間オランダの会社の日本支店に勤めていたのですが、その時の印象ではオランダ人のアジア人に対する見方は、かなり植民地主義的色彩が残っていると思いました。
会社の偉い人にHello!とあいさつしても、無視されるので、Hello!では失礼になるのかと思って、Good
afternoon, Mr. XXXX. などとていねいに言ってみましたが、やはり無視されました。そのため、要するに、自分たちは彼らの目に入っていないということがわかりました。それだけでなく、社員をすぐ首にする、首にするときは、昼食はだれと行ったかなど、個人的なことまで絶えず監視するなど、なりふりかまわないため、訴訟が頻発する、給料カットは日常茶飯事というわけで、辞めてよかったと思っています。辞めてから、イギリスの会社に入りましたが、そこでは、一番えらい人でも、Hello!というと、いかにもイギリス紳士という感じの笑顔で返答していただいたときには、感激しました。
やはり以前オランダの会社に勤めていたことがあるヘッドハンターに2―3年前に会ったことがありましたが、その人も、オランダの会社をやめた人でその会社のことを良く言う人はいないと言っていました。苦々しい思いをしたのは、私だけではなかったようです。
外資系に転職を考えてらっしゃる方は、オランダ系についてはこのような特殊性を認識されてからにされるようにお勧めします(98年7月24日)。
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