友人のアメリカ人、クレイグさんとグレースさんが2000年11月3日―17日の2週間、ネパールを旅行され、その時の写真を見せていただきましたが、そのうちのいくつかを、お許しを得てご紹介させていただきます。
上の写真はピラミッドなどとともに1979年に世界遺産に指定された「カトマンズ渓谷」にある、パシュパティナット(Pashupatinath)寺院です。寺院はカトマンズの東5kmにあり、前を流れているのは(すべての川の母と言われている)神聖なバグマティ(Bagmati)川だそうです。この寺院はヒンドゥー教の有名な巡礼地の一つで、宗教施設としては世界有数の広さで、多数の寺院から構成されているようです。クレイグさんによると、右側の木の間に塔だけが見える寺院がバカレシュワリ(Bacchareshwari)寺院、左側に見えるのがラム(Ram)寺院で、二つの寺院の間には、7世紀に作られた、仏陀の立像が半分埋まって建っているそうです。現在建っている寺院群が完成したのは17世紀だそうですが、この地域ははるか昔から(おそらく紀元前3世紀ころから)、デオパタン(Deopatan、神の町という意味だそうです)と呼ばれる神聖な場所だったようです。
煙は、四つの火葬場から立ち上っていたそうです。この近くで人が死ぬと、この寺院で火葬に付されますが、台の上に薪(まき)を積み重ねてその上に遺骸(いがい)を乗せ、さらに薪でその上を覆って近親者が点火するそうです。ただ、火を付け終わると家族は、見守ったり、祈ったりすることも、涙を流すこともなく、帰ってしまい、そのあとは寺院の係りの人が火を守ったあと、灰を川に流すそうです(この話と左の写真は1976年に書かれた、Guides
Bleus - au Nepal, Hachetteによるものです)。
クレイグさんとグレースさんの旅行の目的の一つは、トレッキングだったのですが、カトマンズのホテルで
サルバジット タパ(SARBAJIT THAPA)さんというガイドの方を紹介してもらって、3泊4日でトレッキングに出かけたそうです。カトマンズからタクシーで45分くらいのところを起点にして、1日15―20km、全行程では60―70km歩いて、出発点に戻ってきたそうです。3泊の宿泊費、3食とガイド付きで1人120ドル(現在のレートで1万4,000円強)で済んだそうです。ただ、この価格はホテルの言い値だったため、交渉次第でもっと安くできたとクレイグさんはおっしゃっていました。
サルバジット タパさんは社会学と経済学を学んでいる大学生で、英語のほかに日本語もすこしできたそうです。ネパールの歴史、地理だけでなく、政治、社会、教育、経済問題など、ネパールについて非常に多くのことを、サルバジットさんから教えてもらったとクレイグさんはおっしゃっていました。例えば、ネパールの国内総生産(GDP)の75%が観光によっており、毛沢東主義者(maoiste)の残党が政治的混乱の原因になっているそうです。また、宿舎では必ず台所に入って、料理人が衛生的に調理しているかどうか、衛生的な材料を使っているかどうかなどを監視してくれたほか、生水を飲むことができないため、水筒に一度沸かした水を用意してくれたそうです。クレイグさんは、現在でもサルバジットさんとメールのやりとりを続けているとおっしゃっていました。
この写真は、ゴレパニ(Ghorepani)とプーン・ヒル(Poon Hill)の途中から見た、アンナプルナだそうですが、アンナプルナには六つくらいの頂きがあり、そのうちどれかは分からないとのことです。手前の旗は、チベット密教の経文旗(Tibetian Prayer Flag)だそうです。 |
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ジャングルとの境界の辺りでハンモックで休憩したときの写真だそうです。この辺はトラも出没することがあるそうですから、けっこう危ないのかもしれません。 |
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ガイトのサルバジットさんです。ほほえみが日本人のほほえみと非常に違うと思いました。こんな感じの若者に会いたければ、渋谷のチベット料理店『マンダラ』に行ってみてください。この店のスハルニさんという方は、本職は留学生で、退廃的な文明に毒されていない(少なくともそういう感じのする)笑顔が魅力的な方です(渋谷区桜丘町16-9
DK渋谷ビル3F 電話:03-3463-5181)。 私がクレイグさんとグレースさんにこの店に連れて行っていただいたときには、ネパールダンスの同好会の方が多数いらしていて、途中からダンスパーティーになりました。ちょっと沖縄の踊りに似たゆっくりとした踊りでした。 |
(2001年3月20日)。
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