王徳山先生直伝のぎょうざの作り方

問題30(食文化)でご紹介した、王徳山先生のぎょうざ(以下では「餃子」と書きます)の作り方を知りたいというご要望が何人かの方から寄せられましたので、ご紹介します。ただ、わが家では、しばらく餃子パーティーはごぶさたしていたため、かみさんも私も作り方をかなり忘れてしまいました。そこで、思い出しがてら、最近ご興味をお示しくださったお知り合いの読者の方をご招待して何年かぶりに餃子パーティを開きました。

下は、その時の写真です。ぎょうざの皮をのばすには、麺台が必要ですが、わが家の場合には、伸長式のテーブルをきれいに拭いて使っています。伸長式のテーブルの場合には、継ぎ目から小麦粉がこぼれるため、写真ではよく見えませんが、ビニールテープで継ぎ目をふさいであります。一番右上のボールに生地が入っていて、それを太さ3センチくらいの紐(ひも)状に延ばし、それを手でちぎって、写真に写っているくらいのボールを作り、それを延ばして皮を作ります。それに具をつめて、お盆の上などに重ならないように並べ、これをゆでると出来上がりです。



醤油さしと酢の入物、すったニンニクの入った小鉢、醤油の入った皿、大きな皿、ビールのグラスなどもあるのは、ビールを飲んで、出来上がった餃子を食べながら、作ったためです。なんといっても、出来たてが美味しいようです。

用意するもの

道具 ---- 大きななべ(ぎょうざをゆでる)、大きなボール2個(具と生地用)、木綿の袋(ハクサイをしぼって水分を減らすため)、麺棒(3―4本)、麺台(テーブルで代用可能)

材料 (5人分、約130個)

1. 小麦粉(強力粉)・・・・1kg(200―300円だったと思います)。このほかに、テーブルに生地が付かないようにするためと、堅さの調節のために小麦粉(強力粉でなくても問題ありません)を100gくらい用意する必要があります。
2. ハクサイ・・・1個(2.5kg程度)
3. 豚挽肉・・・700g(赤身よりも脂身がある程度入っていた方がいいようです)
3. しょうが・・・3かけ
4. コショウ・・・適量
5. ゴマ油・・・適当(小さじ2―4杯)
6. 醤油・・・少々
7. 塩・・・少々
8. 日本酒・・・少々
9. にんにく・・・(好みに応じて、すったものを醤油に加えたものにつけて食べるため。材料には加えない) 

具(または「あん」)の作り方

ハクサイを小口切りして、軽く塩を振り(振りすぎると漬け物になりますので、振りすぎないように注意してください)、木綿の袋に入れて、水気をよくしぼり出す。それをボールに入れて、これに挽肉、しょうがをすったもの、コショウ、ゴマ油、醤油、日本酒などを入れて、手でかき混ぜて具は完成です。

皮の作り方

粉を全部ボールに入れて、水を少しずつ加えながらこねていきます(水以外は何も入れる必要はありません)。粉のこね方は言葉だけで説明するのは難しいため、周富徳さんと餃子研究会編の『周さんの餃子』(毎日新聞社刊)から写真をコピーさせていただきました。わが家でも、写真を撮ってみたのですが、うまく撮れませんでしたので、コピーさせていただくことにしました。日本の料理書では、餃子の皮は買ってくることが前提となっている場合が大半で、餃子の皮の作り方を書いてある本はほとんどありませんでした。しかし、この本には、皮の作り方や餃子パーティーのことも書いてありました。また、漫画家の赤塚不二夫氏(問題26(日本語)参照)も、餃子パーティーを毎年開かれており、ひところは一度に1,500個も作ったことがあったなどという話が載っています。

また、皮作りは力がいるため男性が主に担当し、具を作ったり、皮に具を入れるのは女性がすることが多いと王先生はおっしゃっていました。

最初は左の写真のように、ぼそぼその状態になります。
水を徐々に加えてこねていると、だんだんと表面がなめらかになってまとまってきます。『周さんの餃子』では、この段階から、麺板の上でこねていますが、私の場合は、最後まで、ボールの中でこねます。これは、水を加えたり、粉を加えたりして、柔らかさを調整する場合に、ボールの方が便利なためです。
こね上がるとこんな感じになります。堅さは、耳たぶくらいが最適で、これよりやわらかくすると、具を入れたときに破れることがあり、固くすると、うまくのばせなくなることがあります。

次に、この生地をボールに入れで、上に濡れ布巾をかぶせて30分くらい寝かせます。すると、表面がさらになめらかになり、弾力も増すようです。
30分くらい寝かせた後の生地を手でもぎとって、細い棒状にします(本では包丁で切っているようですが、王先生はすべて手だけで作られていました)。
棒からさらに小さい固まりを手でもぎとり、これをボール状に丸めた上で(周さんの本では丸めるという動作は入っていないようです)、上から押しつぶして、薄い円盤にします。
薄い円盤を周りから、麺棒でのばしていきます。この際、周りは薄く、中心の近くはやや厚めにすると美味しいと、王先生はおっしゃっていました。

これで皮が完成しましたが、上の写真のように皮を重ねると、すぐにくっついてしまうため、ばらばらに置いた方がいいようです。皮に詰める具の分量は、適当でもいいようですが、皮と皮をよく接着させておかないと、鍋の中で具がはみ出してしまうこと(なべ中に具が拡がるため、"爆発"という感じ)になりますから、注意が必要です。皮にはひだをつけた方が、見栄えはいいですが、最初は無理してひだをつける必要はありません。また、市販の皮の場合には、水をつけなければ、うまくつきませんが、手作りの皮の場合には、水なしでもつきます。その代わり、ゆでていない餃子を重ねると、くっついて離れなくなりますので、冷凍保存する際などは、一つずつラップでくるむ必要があるようです。

最後にゆでますが、中火で静かに湧いている感じのお湯に入れて、餃子がやや透明になって、浮いてきたら出来上がりです。これをざるですくい、皿に盛りつけます。酢醤油とお好みでニンニクのすったものを加えて食べます。

安上がりで美味しいだけでなく、大勢で作るのはけっこう楽しいものです。これまでの経験では、特に若い人、お子さんには非常に喜ばれるようです。一度お試しください。(2003年3月16日)。

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