ウィルス制作・送信者を処罰するための法律が04年に国会に提出されて以来、いまだに継続審議になっている理由
無許可で人気アニメの画像を使い、この画像にコンピュータウイルスを組み込んで、アニメを目的にダウンロードした人のパソコンにウイルス感染させ、被害を与えたとして、大阪電気通信大学の大学院生が2008年1月24日に逮捕されました。京都府警によると、ウイルス作成者が逮捕されるのは国内初だそうです。米国で2003年8月に、新種のコンピューターウイルスを作成して感染を広めたとして、18歳の高校生が逮捕されて以来4年半も遅れているとはいえ、画期的なことのようです。さらに驚きなのは、逮捕容疑はなんと著作権法違反だそうです。
この件について、国立情報学研究所客員教授の岡村久道弁護士(情報学)は次のように語っているそうです(『朝日新聞』2008年1月24日付夕刊から引用させていただきます)。
法整備不備/根本の問題
アニメ画像の無断利用でウイルス作成者を逮捕した事実上の「別件逮捕」だが、ウイルス対策の法整備が十分でないことが根本の問題だ。サイバー犯罪対策のための法律が国会に提出されているにもかかわらず、共謀罪と抱き合わせになっているためめに塩漬けにされている。共謀罪と切り離して国会で法案を通すことが急務だ。
ウイルス・メール発信者を処罰するための法律案、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が2004年に国会に提出されて以来4年近くも継続審議(たなざらし)になってます。この法律では、作成、送信者は、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」、取得、保管した者でも、「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する」ものとされています。
この法律がいまだに継続審議になっているのは、日本弁護士連合会も反対声明を発表している、問題法律の「共謀罪」と抱き合わせになっているからであるという見方は、「ウイルス・メールを意図的に送りつけても犯罪にならない国」でご紹介した社民党政策審議会事務局次長 野崎様の見方とも一致し、さらに野崎様は、この法律が単独で提出されれば、成立する可能性が高いともおっしゃっています。
このホームページを管理している経験から、性質の異なる法律を抱き合わせにしているのは、この法律が成立すると従来通りの活動ができなくなるために、この法律の成立に反対していると推測される、創価学会・公明党による圧力のためではないかと私は考えていることについては、上記のページにもご紹介しました。さらに付け加えさせていただれれば、日本の新聞がこの辺の事情や、創価学会に対する批判を掲載することがほぼ皆無なのは、本格的な印刷所を持たない信者向けの日刊紙、『聖教新聞』の印刷を大手新聞が請け負っていて、この収益が、各社の収益のかなりの部分を占めているためではないかとも考えています(2008年1月27日)。
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