浜松町駅前の喫煙所

JR山手線の浜松町駅前の喫煙所(スモーキングエリア)を2017年11月に写したものです。中央の柵の車道側が喫煙所となっていますが、通行の妨げになるだけでなく、喫煙者は喫煙所の近くならどこでも喫煙し、煙は流れ放題なので、この柵は歩行者への迷惑を顧みずに、喫煙を勧めるために設置されたとしか考えられません。正面のビルは駅に接続していて、ランドマークになっている世界貿易センタービルですが、ビルの駅側(向かって左側)の吹き抜け部分にも別の喫煙所があります(次の写真)。

駅から200mほど北の大門の近くにも別の喫煙所があります(次の写真)。

浜松町近くで一番人通りの多い大門の交差点の角につい最近まで、「大門シガレット」というたばこ店がありました(次の写真)。主要駅近くで一番人通りの多い交差点の角にタバコ店があるのは他の場所ではあり得ない感じがします。


「大門シガレット」の2階には無料の喫煙スペースが設けられていました。

上の写真は喫煙スペースの内部ですが、こんなスペースは日本中を探しても、他にはないのではないかと思いました。
ただ、2018年初めにこのたばこ店は閉店しましたので、このスペースもなくなりました。

またこの「大門シガレット」の実質経営者である井上正一氏は、1億3,000万円の所得を隠して、約5,300万円を脱税したとして2016年11月に東京国税局から東京地検に告発されました。たばこ店の脱税という話はほかでは聞いたことがありませんが、脱税した所得のかなりの部分が日本たばこ産業(JT)からの「協賛金」だったようです。朝日新聞の記事によれば「青と銀を基調にした外観の新店舗は良好な景観形成に貢献したとして区から表彰を受けている。この改装はJTが意匠を決めて費用を負担。このほか、自社のたばこをアピールする看板や広告の設置などのための、JTは3年間で1億円を超える協賛金を支払っていたとみられる」とのことです。たばこ店脱税の謎が解けた感じです。また、JTの本社が港区内にあるため、浜松町がある港区も喫煙所を多数開設して、区内全域で喫煙を推奨しているようです。

喫煙奨励区である港区では、パイプたばこや葉巻を含む、世界中のたばこを販売しているこんな立派なたばこ店が浜松町にあります。

下の写真は浜松町2丁目通りと「第一京浜」(国道15号、通称「一国(いちこく)」)の交差点を浜松町2丁目通りから写した朝の出勤風景です。この通りの突き当たりがJR浜松町駅・金杉橋口で、モノレールも写っています。第一京浜は信号間の距離が200m程度と長く、信号の待ち時間も長いため、信号が変わると長時間待たされたサラリーマンが一斉に歩いてきます。この交差点の手前のすぐ右手に不正融資で問題になった「商工中金」の東京支店があります。公的金融機関の東京支店がなぜこんな場所にあるか不思議ですが、この辺りは中小企業が多いことが一因ではないかと思います。

この交差点の手前左側の角には、「九州熱中屋」という日本料理店がありますが、この店の売りはなんと「全席喫煙」です。浜松町以外ではこんな看板は見たことがありりませんでした。私は入ったことはありませんが、それでもお客さんが入っているらしいところが浜松町ならではという感じです。

こうしてみると、浜松町は喫煙者のパラダイスで、非喫煙者、特に呼吸器系に問題を抱えていらっしゃる方にとっては、煙が周りにただよっている喫煙所が人通りが多い場所に設置されていて、喫煙所のある歩道は避けて遠回りする必要があるため、悪夢のような場所です。あるアメリカ人の友人は、「国民の健康をむしばむことが証明されている商品を国が主要株主となった企業が積極的に販売しているというのは信じがたい」と言っていました。そのJTの営業活動が非常に活発で、地方自治体までそれを後押ししているのは浜松町がある港区くらいではないかと思います。東京オリンピックを2020年に控えて、東京の玄関口の1つである浜松町が、世界の流れとはかけ離れた喫煙者天国となっているため、世界各国の旅行者は日本の非喫煙者に対する配慮の遅れを実感していると思います。日本の喫煙者に対する対応の遅れについては、問題2(健康)問題39(健康)最近気付いたこと「アイルランドの禁煙事情と当日券でセンターコートに入れた話」もご参照ください。(2018年4月29日)。

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