問題36 (生活の知恵)傷が付いて、音が飛ぶようになったCDを、わが家では、( c. ティッシュペーパー )だけを使って修復しています(99年6月22日)。

修理の方法は、ティッシュペーパーでひたすらこするというものです。

注意するのは以下の4点です。

(1)テーブルのようなきれいで平らな台の上にCDを、音が記録されている面を上にして(つまり、印刷面を下にして)置いて、しっかり片手で固定すること、

(2)ティッシュ・ペーパーを2―3枚丸めたもので、傷の部分を、できるだけ強い力で、500回くらいこする、

(3)こする方向は、放射線方向(中心から外側、またはその逆)で、円周方向(つまり円盤の接線方向)にはこすらない、

(4)しばらくこすっていると、ティッシュがすり減ってきますから、直接指でこすって、つめでひっかき傷を付けることがないように、早めにティッシュを交換します。

放射線方向だけにこするのは、円周方向に傷が付く方が、修復が難しいからです。これは、CD盤に記録されている信号が円周方向に並んでいるためです。CDでは、印刷していない方の面にレーザー光を当てて信号を読み取ります。その際に読み取るのは、CD盤に埋め込まれているバンプという突起の列で、この突起(高さ1万分の1ミリ程度、幅1万分の5ミリ程度、長さ1万分の8―36ミリ程度)が、円周方向にら線状に並んでいます。円周方向に傷を付けると、この突起の列の方向と重なるため、連続して多数の凹凸の読みとりが不可能になるのに対して、放射方向に傷がついた場合には、一つの列についてはごく少ない範囲だけの凹凸が読めなくなるため、かなり読み取りソフトで音を修正することが可能になり、聞いただけでは音が飛んでいるのかどうかが分からなくなることもあると考えられるためです。

わが家で傷を付けたり、中古CD屋から買ってきたら、すでに傷が付いていたすべてのCDを、この修復法によって、修理することが可能でした。ただ、4―5枚くらい修復したうち、1枚については、家にあるCDプレイヤーでは、問題なく聞けるのですが、携帯型CDプレイヤーでは、音飛びを起こすことがあります。また、傷がはっきり見えるものでも修復は可能でしたが、ナイフで付けたような深い傷のものはありませんでした。

音は飛んでいるものの、傷の位置が分からないときには、傷を探す必要があります。その際に気を付ける必要があるのは、盤の上での曲の配列がLPとは逆になっている点で、最初の曲が中心の近くに、最後の曲が一番外側に記録されているという点です。

この方法で修復できるのは、多分こすることによって、傷の回りの樹脂(ポリカーボネート)が削られて平らになるためだと思います。ただ、はっきりしたことは分かりません。

とにかく、ただで直せるのですから、もし傷が付いたCDをお持ちでしたら、ぜひお試し下さい。

また、CDに傷をつけるのは、ケースから出し入れするときが多いようです。このような場合に傷を付けないようにするには、最初にCDプレイヤーを、すぐにCDを入れることができるようにしてから、テーブルの上などでCDケースを開き、CDケースからCDを外して、プレイヤーに乗せるといいと思います。私の経験では、ケースを手に持ったままで開いて、片手にケース、片手にCDを持ち、しかもプレイヤーを操作すると、CDやケースを落としたり、CDとケースをぶつける可能性が高まるようです。さらに安全な方法は、CDをケースに入れるときに、記録面を上にすることです。こうすると、CDの記録面が上を向くため、CDを取り出すときに記録面とケースの角がぶつかって傷を付ける可能性は低くなるようです(99年6月22日)。

冷凍庫に入れるという方法もあるということを読者の方が教えて下さいました・・・・あるテレビ番組で、冷凍庫に入れると直ると報告されていたことを、2000年4月16日に読者のMiyuki Harada 様がご連絡くださいました。詳しくは、「最近気付いたこと」「傷の付いたCDは冷凍庫に入れてもまた聞けるようになるそうです」(2000年4月17日)をご覧ください。

CD関係のお仕事をされているA様から、目の細かい液状の研磨剤を使うのが最善であるというアドバイスをいただきました・・・プロの方から、テッシュでこすると細かい傷が付くため、液状の研磨剤を使う方がいいというご指摘を受けました。詳しくは、「最近気付いたこと」の、「賞金付きアンケートの結果」(2001年1月30日追記)をご覧ください。

仕事でお世話になっている毛利様によれば、冷凍庫に入れても直らないだけでなく、これが原因でプレイヤーが壊れることもあるそうです・・・冷凍庫から取り出してからすぐに再生すると、CDの表面にできた水滴が原因で、プレイヤーが壊れることもあることを、毛利様が教えてくださいました。詳しくは、「最近気付いたこと」の、「傷の付いたCDを冷凍庫に入れても直らないだけでなく、これが原因でプレーヤーが壊れることもあるそうです」(2002年9月7日)をご覧ください。

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