巨大地震が発生したチリ在住の村瀬加奈子さんからの続報3月16日に「余震が続くバルパライソ」という記事を追加しました

村瀬さんから地震の被害についてのメールをさらに3通いただきましたので、ご本人のお許しを得て、コピーさせていただきます。3通目には、村瀬さんのオフィスのあるバルパライソ市内の被災状況の写真も添付されていました。村瀬さんどうもありがとうございました(2020年3月4日)。

3月9日と12日にも、「余震が続くバルパライソ」の様子を村瀬さんがお知らせ下さいましたので、村瀬さんのお許しを得て下に追記させていただきました。村瀬さん、貴重な記録をお送りいただき、掲載も承認していただいてどうもありがとうございました。(2010年3月16日追記)。


*:."..+ *:..Safe in Chile #02.:*+*:."*
2010/02/28 (日) 22:40(日本時間)

Hola,

After a day from the earthquake. The situation in the south looks terrible.
Here in Vina where I live, 500km away from the heart of earthquake,
people, buildings, water, basic needs are all fine, including me.

Every one hour or two, still... there are shakes.
Every time it happens, no matter night or early morning, people cry with fears outside, phone line crashes, emergency ambulances make noizes and military aeroplanes fly.

No traffic lights last night,
No evacuation alarm but media keep telling us "to stay home",
No shops are open, (after the earthquake, all supermarkets and petrol stations were full of people trying to save foods and petrol)

International media showing the Olympics results,
another earthquake after Haiti (less attention),
Chilean Chilly Chanllenges keep on going.

Safe in Chile,
KRM


(私の翻訳)

(2010年2月27日午後3時半(日本時間))の地震発生から1日経ちました。チリ南部の状況は深刻なようです。
私の住んでいるビニャ・デル・マル(「海外沿いのワイン村」という意味で、写真)は震源から500kmも離れているため、人々、建物、水道や私自身に被害はありませんでした。

ただ、1、2時間ごとに余震が続いています。余震のたびに、夜間、早朝を問わず、人々が恐怖の叫び声をあげているのが聞こえます。電話線は切断されており、救急車のサイレンが鳴り渡り、軍用機が飛んでいます。

昨夜は、交通信号が消えていました。避難勧告・指示はありませんが、メディアは引き続き「家にとどままる」よう伝えています。
開いている店はありません(地震のあと、スーパーやガソリンスタンドはどこも、食べ物やガソリンを蓄えるための人々でいっぱいでした)。

国際映像はオリンピックの結果を伝えていますが、ハイチ地震に続く(ハイチの場合ほど注目されていない)地震で、チリの人々のゾッとするような挑戦(Chilean Chilly Challenges...)が続いています。


*:."..+ *:..Safe in Chile #03.:*+*:."*
2010/03/03 (水) 23:55(日本時間)
〔重複部分などを一部省略させていただきました〕

オラ!

今回のチリ大地震についてご報告させていただきます。


この週末は、チリの夏休み最後の週末でした。2月で夏は終わり、3月から新学期が始まるという週末。多くの国内、南米、海外の観光客がチリで最後の週末を楽しんでいました。
• 2月27日早朝3:39 - チリ南部で震度8.8の大地震。4分間以上の揺れが続いた。首都サンチャゴ、私のいるビニャ・デル・マルや隣接するバルパライソ(チリ第二の都市)でも震度6。
• 2月27日早朝3:45 - チリ南部で津波。余震が続く。チリ全国で、避難開始。余震のたびに、窓の外から火事、政府のヘリコプター、パニックの声が続く。電気、ガス、電話回線の切れた街で、火事の炎と黒い煙が黙々と立ち込める。
• 2月27日午前 - チリ南部は、大きな被害。阪神大震災を思い起こす。自宅待機警告(バルパライソ地域)。家の電気復興。ガス、電話回線繋がらず。街の電気もいくつかついているが、全てではない。信号機も電気のないままだ。もう少し田舎、貧困地域は電気なし。交通もストップしている。空港も閉鎖。一時間おきに余震続く。
• 2月27日午後 - 電気、電話回線繋がる。ガスはない。街は静かだが、余震のたびに悲鳴が聞こえる。街の人々は、近所の小さな商店(大型スーパーは閉まっている)、ガソリンスタンドに並んで、緊急用食料、水、ガソリンを購入しようとしている。長蛇の列が見られる。二、三時間おきに余震続く。toque de quedaという、夜間外出禁止令が出された。(震源地地域のみ)
• 2月28日午前 - 大型スーパーに、大勢の人々が集団窃盗に入る。石などでガラスを割り、食料や緊急物資のみならずパソコンや冷蔵庫まで盗む。警察は大勢の人を抑えるため、消防車で人々に水をかけたり、催涙ガスをまいたりした。(震源地地域のみならず、サンチャゴでもこのような現象が見られた)
• 2月28日午後 - 午後3時ごろバルパライソ地域でも、津波が来るとの噂が広まる。街全体がパニック状態に陥り、避難し始める。しかし、「ただの噂ですから、落ち着いてください」という放送が流れた。余震も少なくなってきた。
• 3月1日午前 - 月曜日。経済への影響大。(チリはサーモンなどの海産物やフルーツの輸出で有名。電気が通らず、輸出用大型冷蔵庫が機能せず、など。)
• 3月1日午後 - 余震が続く。南部の震源地では治安悪化。
• 3月2日午前 - 水道工事のため三日間水が止まる予定だったが、スーパーなどで水品切れ、市民の準備ができていないとの理由から水道工事延期。水道が壊れて水が使えない家も多い。余震が続く。


チリ南部では被害が大きく、国内でいまだ余震が続いておりますが、500kmほどはなれたこちらは現在ビルも電気も水も人々も無事です。
チリは日本の二倍以上の面積がある細長い国です。

この他にも、こちらから何か伝えられることがありましたらご報告させていただきます。

村瀬 加奈子


*:."..+ *:..Safe in Chile #04.:*+*:.
2010/03/04 (木) 0:00(日本時間)

Hola again!

本日、バルパライソ市内で写真を撮ってきました。
震度6ほどのこちらは、ビルが半壊している様子が所々見られます。

8120.JPG
27日から5日経過し、片付けたり修復作業に入っている所がみられます。
PELIGRO(危険)というテープが街中に張られています。



8122.JPG
今にも落ちてきそうなガラスや家の瓦礫。



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私が写真を撮っていると、危ないからどけ!と言われます。
また、「地震で被害を受けた場所はないか」とたずねると、「オレが案内してやるよ」という怪しい人(ラテン男ですね笑)もいます。



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道路標識もいくつか倒れています。



8183.JPG
建物の一部分が完全になくなっています。
消防車が作業していますね。
人だかりができていました。



8195.JPG
この男の子は何をしているのだと思いますか?



壊れた瓦礫から、使えそうなもの(売れそうなもの)を集めて持ち帰っています。
この地域は、貧困地域で家も丈夫ではありません。

8216.JPG
街の中心部でも、信号が動いていません。
いたるところで警官が、信号の代わりに交通整備をしています。



いまだに余震が続くバルパライソより、
村瀬 加奈子
〔ここまでが2010年3月4日の分です〕


余震が続くバルパライソ(3月3日以降の状況・・・3月9日付、3月12日付メール)

(3月9日付メールの抜粋)

・3月3日午前 - いまだ余震続く。落ち着き戻る。震源地では、支援物資も届いてきたが、いまだ余震や混乱状態だ続く。チリ南へ旅行に行ったまま帰れない同僚から、3月8日月曜日午後にやっと帰りの飛行機が取れたとのこと。彼女は2月28日(日)に帰宅予定だった。
・3月3日午後 - 午後5時ごろ、勤務中に震源地バルパライソの地震あり(震度5.8)。10秒ほど続く。オフィスの人は中心部へ集まる(女性社員など手を握り合っている)。私は日本の地震訓練のおかげか、とっさにデスクの下に隠れる。チリでは学校で地震訓練をしないとのこと(机の下に隠れるというのは日本式の避難方法のようだ)。オフィスのアルゼンチン人「アルゼンチンがゴーーーーーールした!!!」と地震を叫ぶ。さすが、ラテン人、どんな時でもサッカー魂。
・3月3日夜 - 午後11時、またもや震源地バルパライソの地震あり(震度6.1)なかなか揺れが止まらず。大きな揺れ、小さな揺れが30分ほど続いた。帰宅すると、友達6人が我が家に避難していた。
・友人Aの話:地震時、街を歩いていた。激しい揺れを感じるとともに、コンクリートの地面にひびが入っていくのを見た。地面が割れ、植物がどっと下に落ちていった。
・友人Bの話:2月27日は兄の結婚式を予定していた。地震時、結婚式の前日準備でケーキを作っていた。結局結婚式は中止。(延期の予定立たず。)4つのケーキと準備されていた手作り料理も無駄になってしまった。ちなみに兄はニューヨーク在住だが、結婚のため2週間休暇をとり、実家のチリに帰っていた。
・友人Cの話:彼女の家は大丈夫だが、隣のアパートが傾いている。窓から今にも崩れてきそうな光景が広がっており友達の家を転々としている。
・友人Dの話:3月1日(月)から新学期(新学年)が始まるはずだったが、3月15日(月)まで一週間延期になった。夏休みが伸びて嬉しいが、あまり喜べる状態ではない。(バルパライソ地域の大学、小中学校、でも同じような状態。)
・友人Eの話:1985年のサンチャゴ大地震の日から(うるう年を考慮したら)ちょうど25年。これは不吉だわ!(1985年3月3日震度8.0、震源地サンチャゴ)
・友人Fの話:3月4日から始まる「アリス・イン・ワンダーランド」の3D映画を観に行こうと思っていたのに、地震の影響で中止だなんて残念。
・3月4日午前 - 昨日社内のCSR(企業の社会的責任)チームが行った募金で約31万円集まった。(100円=578チリペソ、3月4日現在)今後もバレーボール大会やお寿司販売などのチャリティー行事開催予定。
・3月4日午後 - 今日は余震もなく落ち着いている。誰かが歩いた時の微妙な揺れにも敏感に反応してしまう。みんな「大丈夫」というが、心の中は傷ついているのだろう。大丈夫と言う度に、その言葉を自分に言い聞かせつつ、大丈夫になるように願っている。
・3月5日 - 今日からTeletonというチリ地震のための24時間チャリティー募金番組(日本の24時間テレビのような感じ)が行われる。銀行は番組中24時間開いていて、一般人や企業、有名人などが募金に参加する。
・3月6日 - Teletonチリ地震24時間チャリティー募金番組 合計54億円ほどの援助金が集った。チリの物価(日本の半分ほど)から考えると...スゴイ!としか言いようがない。
・3月7日 - 今週末まで、チリ地震の死亡者数は800人を越えていたが、行方不明者がみつかり、現在の死亡者数は452人。

震度8.8の地震でこれほど被害が少ないのは、人口密度や建物の耐久性と関係しているようだ。震源地コンセプシオン、またチリ全体で復興作業や支援が続いています。しかし、亡くなられた方、家族を亡くした方々の悲しみ、津波で消えてしまったものなど地震の影響も続いています。現在の状況は、まるで「沈黙の地震」です。


From: Kanako Murase
Sent: Friday, March 12, 2010 5:16 AM
Subject: *:."..+ *:..Safe in Chile #05.:*+*:."*

Hola!

Again, there was the secound biggest after shock, grade 7.2 hit in the Rancagua city(200km south from where I live) today around 11am Chilean time.

After 5 minutes, tsunami warning was released and we have all evacuated.
Fortunately, nothing happened until now.

Water is cut now, but we are all safe. (and we have water savings.)

When this big after shock happened, I was watching TV at home.
Today is the new Chilean presidential ceremony, Mr. Pinera assumes a new president post, but it is now postponed due to the tsunami warning.

Again, safe in Chile.

KRM


(私の翻訳)
チリ時間で今日の午前11時にまた強い地震がありました。マグニチュード7.2とこれまでで2番目に強い地震で、Rancagua市(私の住んでいる場所の200km南)が震源でした。

5分後に津波警報が出され、われわれ全員避難しました。幸いこれまでのところ何も起こっていません。

現在水道は止まっていますが、全員無事です(さらに、非常用水の蓄えがあります)。

大きな余震が起こったとき、私は家でテレビを見ていました。
今日はチリの新大統領ピニェラ氏の就任式でしたが、現時点では、津波注意報のために、式典は延期されています。

再び、チリで無事であることをご報告しました。
村瀬加奈子

The photo is evacuated people from tsunami alert, all looking towards the sea side.
津波警報で避難した人々。みんな海の方を向いている。

〔ここまでが2010年3月16日に追加した分です〕

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